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PIANO LESSON   先生の選び方Ⅱ

Updated: Aug 31, 2020


ピアノの先生選び

ピアニスト目線からのキーポイント 


今回は  

歌わせる指使いを心得ている こちらについてお話します


指使いがそんなに大事なのか  楽譜に書いてあるから重要視しなくても良いのでは?

と思われるかもしれませんが 楽譜の指使いは版によっても様々ですし

時代と共に変化を辿ってもいます  何よりも個々人の指には色々な特徴があり

弾き易く適した指使いを指導ができなければ 弾きたい曲にも制約が出てしまいます


歌わせるというのは とても抽象的な表現になりますが

実際に音にはタッチ(打鍵を含む)からくる表情が宿ります

音は空気振動ですから その振動を作用させる指はとても大きな役割を担っているのです



生理機能上もともと弱い指というのがあります


この場合”弱い”という言葉が実際に適切とは思えませんが 

例えば薬指や小指は他の

指より瞬間に及ぼす力は弱くできていると言えるでしょう


また 親指は他の指と動く方向が違います

上下にも左右にも動いてくれるお陰で途切れなく鍵盤上を自由に動いて弾けるのです


弱い指を強くトレーニングしてしまったらどうでしょう? 

せっかくの良い持ち味が損なわれ全て無機質な音色になってしまいます

テクニックやメカニックはピアノ演奏で大事な一方 

教則本の誤った選択や指導で美しく繊細な柔らかい指までも消えてしまうのです


ショパンはこの薬指の特徴を

鍵盤をそっと滑り降りるように 空気に触れるように音楽作品の中で生かしています


幼少から自然な指の特徴を伸ばすこと 

これが後に良いテクニック・メカニックへと繋がるのです

そして柔軟に腕が使えるよう決して指だけを鍛えたりしないこと


特にピアノ初心者は 良質の指導者について歌う指を身につけるべきです

幼少から音楽英才教育を受け音高・音大を卒業した後に 

留学先でいちから直される方も多く見掛けました

”ミスタッチは少ないけれど無表情で何も心に響かない” こう言われてしまうのです


その理由は何でしょう? 

幼少からの指の訓練で音に表情が無くなって歌えなくなってしまったのです

このパターンが実に多いです  

故中村紘子女史も留学先ジュリアード音楽院では 全てを否定されてしまい腕の柔軟性やタッチから全てやり直したと仰っておりました ご著書にもそのエピソードがあります


先生を見極める際に 指やタッチの質問をしてみるのも良いでしょう


初めての方は体験レッスンでこう言われて鵜呑みにしないようにしましょう

”指は丸く 上から下にしっかり動かして打鍵しなさい 音の粒を全て均一に 

手の甲は5円玉が落ちないように動かしてはいけませんよ”


この言葉を聞いたらすぐにその理由を聞いてみてください 

または静かにお教室を後にしましょう...

実に古い指導で手や指に負荷がかかるだけでなく 現在ではもう通用しません


スケール(音階)・アルペッジォ(分散和音)を美しく弾ける指導のできる先生は

このことを最低限理解できて指導しているでしょう  速いだけでなく美しくです

少しでもピアノ経験がおありでしたら 体験レッスンで曲を弾き

指使いについて レガートについて スタッカートについて 

音のニュアンスの色々を聞いて先生に演奏してもらいましょう


美しく歌っている指を指導できる人かどうか 耳と目で確かめてみてください


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